傷んだ棟は漆喰塗りでは直らない内部解説

おはようございます。

瀧田屋瓦工務店です。

2月の雨続きが終わりようやく暖かくなるのかなと思っていたらやはり3月は侮れませんね。 雪が降ったり突風が吹いたり。。。 瀧田屋の近くの大きなフェンスが基礎ごともぎ取れて倒れていたのには驚きましたが。。。

寒さも戻りずっと雨予報。。。

桜を咲かせるための下準備らしいのですが。

着工日が決まっている現場が何軒も重なっている中で1日や半日仕事もあるのでこのタイミングでの雨続きは神経がすり減ります。。。

さて、今回のブログ内容ですが瀧田屋が以前からお伝えしている漆喰塗りの危険性について。です。

年間通して多い屋根修理の中で棟の積み直し工事、もしくは積み換え工事。

両者の違いは既存の棟瓦(熨斗や伏間)等の瓦を再度使用するか棟瓦を新しい物を使用するかです。

既存の瓦の状態を確認してからの判断や屋根全体の瓦の状態・お客様のご予算や生活設計に応じた判断となります。

棟の修理に至る原因の一番の原因は棟の施工技術による技術不足による雨漏りが大半となります。

棟の施工の際使用する土の出寸法が規定値よりも出すぎている。

熨斗の勾配がとれていなく雨水が棟内部に侵入してしまっている。

一昔前の熨斗は成型制度が現在ほど高くなく熨斗の角が直角になっていない物が多くそのまま使用すると熨斗と熨斗の継ぎ目に極端な隙間が生じ、隙間から雨水が棟内部に侵入してしまっている。

この場所は熨斗と熨斗の継ぎ目を擦り合わせる合端(あいば)と言う作業をして隙間を無くすのが良いのですが。。。

あとは棟の下敷きになっている瓦が極端に空いている状態。

写真を見ながら解説していきます。

まず、こちらは漆喰塗り業者が漆喰を増し塗りした事により棟内部に雨水が更に入り込み厚塗りされた漆喰により棟内部に入り込んだ雨水の抜け道もなくなっている状態。

土が濡れているので増し塗りされた漆喰とも剥離しているので熨斗を外すと勝手に剥がれ落ちてきます。

このまま放っておくと漆喰の塊が落ち、カーポートやお車、人に直撃して大惨事になる事もあります。

漆喰業者が塗った漆喰の塊って結構危ないです。

お次は 熨斗の勾配はしっかり取れていますが土が出すぎているためこの土が熨斗の継ぎ目から入り込んだ雨水を吸水してしまっている状態です。

これくらいではすぐには雨漏りはしませんが 土が濡れて乾いてを繰り返す事で土が洗い流されて砂状になり熨斗との粘着性が無くなり強度のない棟になってしまいますので日々の振動でもズレ 地震や台風等の強風で崩れてしまう危険性があります。

そして、画像右側の熨斗は割り損じた物をそのまま使用していますので基本の幅よりも短くかかりが少ないためこちらも雨漏りになる原因です。

こちらも漆喰塗りによる被害ですが

写真上は漆喰を手前まで塗りすぎているため熨斗の雨水の巻き込みや隙間から雨水を相当量呼び水している状態です。 漆喰が規定寸法まで下がっていれば呼び水する事はありませんがこちらの場合、一段目の熨斗の勾配がとれていなく雨水が侵入してしまっている状態でもあり余計と雨漏りの進行が進んでいます。

写真下は棟一番上の紐丸と言う瓦ですがこちらも土の量が多すぎるため 雨水を吸水してしまい砂状になっている状態です。

お次は鬼瓦を括っている銅線が腐食して切れている状態と 銅線と鬼瓦を固定するために打ち付けている鉄釘が錆びて溶けてしまっている事で鬼瓦が落ちてしまっている状態です。

鬼瓦も落下してしまうと大きな事故に繋がる危険性があります。

現在では鉄釘を使用している瓦屋さんはほとんど居られないと思いますが 一昔前までは三寸釘や五寸釘を使用していましたが鉄釘が悪いわけではなく棟内部に雨水が侵入していると鉄釘は鉄なので錆びます。

銅線も腐食します。 鉄も銅線も濡れた土と干渉する事で腐食の進行が速まります。

そして、こちらは雨漏りしていた棟を解体した状態です。 これだけ適当にジグザグに切って隙間もこれだけあると雨漏りしますよね。。。

この状態は棟がある状態では誰にもわかりません。

ただ、本当の瓦屋さんなら屋根の施工具合を見ると予想は出来ます。

漆喰塗りでも、少し知識がある業者なら漆喰の出寸法を控えるために面戸部分の土を少し取ってから漆喰を塗れば大丈夫と思っている方が多く居られるのも現状ですが

下敷きの瓦にどれだけかかりがあるかもわからないのに出を控えて漆喰を塗るのは雨漏りを誘発する事になります。 熨斗の勾配が取れているから大丈夫。は内部の土の出寸法がわからないため大丈夫とは言い切れません。

雨漏りするには必ず理由があり 漆喰が剥がれているのにも理由があります。 剥がれたから雨漏りするのではなく棟内部には雨漏りが発生しているから漆喰が剥がれているのです。

地域によっては常に突風の地域だったり雪が屋根を覆い尽くすような地域の場合は漆喰が剥がれ落ちるため元々漆喰が使用されていない場合がございます。

これだけ詳しくお伝え出来るのは瓦の事も施工技術も経験も備えているからです。

瓦屋22年生 まだまだ知らない事も未熟なところも沢山ありますが 漆喰被害を沢山見てきて 沢山修理してきたからこそ棟積みの技術や知識には敏感になり、少しでも被害に遭われる方が少なくなって欲しいと思っております。

まだまだ沢山漆喰塗りを進める業者は多いです。

屋根さえ上がれれば技術も要りませんし材料代も数千円。 お客様には瓦直すよりも安いですよと謳い 棟積み直しとあまり変わらないくらいの金額を提示して。

自分たち瓦屋は技術も材料費も道具も沢山必要です。

大事な命も預けていましす。

でも、大事な命よりも屋根のほうが大事。

それくらいの想いで日々屋根修理をしています。

瀧田屋瓦工務店は京都市や大津市を中心に町家さんや社寺の屋根修理や葺き替え工事を行っている専門店です。

日本瓦に特化しておりますが洋瓦(平板)やガルバリウム鋼板のカバー工法なども行っており、

京都市や大津市はもちろん

京都府 宇治市 城陽市 その他近隣地域など

滋賀県 草津市 栗東市 守山市 その他近隣地域など

で日々施工させていただいておりますので地域問わず

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